Windowsでのmikutterインストール
はじめに
mikutterとその実行環境であるRubyは、LinuxやNetBSDなどのUNIXライクなOSをターゲットに開発が行われています。 そのため、UNIXと系統を異にするWindowsでmikutterを実行すると「重い」・「落ちる」・「固まる」などの様々な問題が発生します。 そんな訳で、WindowsへのmikutterのインストールはInstall Battleの中でも実験的な意味合いが強いものとされていましたが、「その辺のPCでもmikutterライフを!」と言う夢は多くの若者達を魅了し、今日までに無数の挑戦が行われて来ました。 多くの者はその特異な環境に挫折を余儀なくされましたが、その度にちょっとしたノウハウがインターネットに蓄積されて行きました。 そして2014年。先人達の努力がついに結実し、Windowsでmikutterを安定稼働させるためのプラグインが誕生しました。 ついに、ついに人類は mikutter on Windows をその手中に収めたのです。
ターゲット
- mikutter 3.3.8
RubyInstaller 2.2.4(32bit)
- Windows 10(SPなし,64bit)
Bay Trail Atom 1.33GHz、メモリ2GB(Venue 8 Pro)程度のスペックでも結構快適に使えます。
事前作業(必須)
- Internet Explorerのバージョンを最新のものにアップデートする
- Windows Updateで配布されている全てのパッチを当てる
- tgzファイルを展開できるアーカイバを用意しておく(LhaplusとかLhacaとかLhazとか)
rubyのインストール
ruby installer(http://rubyinstaller.org/downloads/)から、 32bit版のインストーラ(2.0系を推奨)をダウンロードして実行します。
インストールの際に選択肢が出てきますが、下2つを有効にしておきます。
- Rubyの実行ファイルへの環境変数PATHの設定
- .rbと.rbwファイルへの関連付け
mikutterのダウンロード
mikutterの公式サイト(http://mikutter.hachune.net/download)から、 不安定版の最新のものをダウンロードします。
ここで「ちょっと古くても良いから安定版を使おう」などと変な気を起こすと、有りもしないオアシスを延々と追いかける羽目になるので注意しましょう。
ダウンロードが済んだら、事前に導入していたアーカイバを使ってお好きなフォルダに展開して下さい。
ここで決めたフォルダが「mikutterのインストールフォルダ」になります。
Windows用パッチプラグインのダウンロード
mikutter-windowsのリポジトリ(https://github.com/moguno/mikutter-windows)右下の「Download ZIP」から、最新版のパッチプラグインをダウンロードします。
(mikutter-windows-master.zipと言うファイル名のはずです。)
Windows用パッチプラグインの展開
ダウンロードしたmikutter-windows-master.zipを「mikutterのインストールフォルダ」¥plugin¥に展開します。
そうして出来たmikutter-windows-masterフォルダをmikutter-windowsにリネームしておきます。
セットアップスクリプトの実行
「大丈夫、あなたはテキストどおりにやって、最後にsetup.rbが出てきたらマウスのスイッチを押せばいいの。後は機械がやってくれるわ」 「もしネットワークが不調で必須gemがインストール出来なかったら…?」 「今は余計なことを考えないで。一撃でインストールすることだけを考えなさい」 「(ておい…)」
さて、「mikutterのインストールフォルダ」¥plugin¥mikutter-windows¥にあるsetup.rbをダブルクリックします。
しばらく黒いウインドウに英語のメッセージがつらつら出ますので、ハッカー気取りでお好きなジャンクフードを頬張りましょう。
ちなみにこのスクリプト、下記の作業を行っています。
- bundlerのインストール
- mikutterフォルダでbundle install(ruby-gtkなど必須gemを取得)
- immodules.cacheを修正し、インライン入力を可能にする(最新のruby-gtkでは既に対応済みらしいです。)
- デスクトップにショートカットアイコンを作成
黒いウインドウが消え、デスクトップにみくったーちゃんのアイコンが出来たら完了です。はぶふぁん。
制限事項など
mikutterを複数立ち上げるとどっちかが固まります。
そんなシングルアカウントのTwitterクライアントを複数起動する変態なんていないですよね。
どうしてもと言う人はFile.flock()を再実装すれば良いと思うよ。
プラグインは動かない物もあると思います。
純Rubyで書かれた大抵のプラグインはなんとなく動くと思います。
でも、UNIXのコマンドに依存したプラグインやC言語製のRuby拡張モジュールが必要な物はダメだと思います。
まだ色々不具合があると思います。
前述の通り、Windowsはmikutterが想定しているプラットフォームではありません。
そのため、公式に対してバグ報告をしても十分に(オープンソースソフトウェア的な)サポートを受ける事は出来ないでしょう。
まずはmikutter-windowsに対してバグ報告をするのが適切です。
(もしくはUNIX系でも再現する事を確認の上、公式に報告|パッチ投稿でも良いと思います。)